治療開始から8か月目。
個人輸入に切り替えて3か月目。
髪は――減っていない。
でも、増えている実感もない。
つまり、停滞。
ここで俺は、冷静さを失った。
「攻めが足りない」という謎理論
鏡を見る。
写真を撮る。
比較する。
……変わらない。
いや、守れているんだ。
本来ならそれで勝ちのはず。
でも当時の俺はこう思った。
「守りに入ってないか?」
「もっと攻めれば、もっと増えるんじゃないか?」
完全にRPG脳である。
レベル上げが足りないと感じた勇者は、
次にやることは一つ。
ステータス強化だ。
自己判断。ミノタブ増量
やってしまった。
ミノタブ5mg→10mgに増量。
医師の相談?ない。
エビデンス?雰囲気。
根拠?「なんとなく」。
今振り返ると、かなり危うい。
でも当時の俺は真顔だった。
「攻めなきゃ変わらない」
そう信じていた。
結果:気持ち程度の“微増”
どうだったか。
うーん……。
正直に言おう。
ちょっとだけ増えた気がする。
“気がする”レベルである。
拡大して、光を当てて、
角度を変えて、ようやく
「……増えてる?」
くらい。
コスパは、正直微妙。
そして訪れる副産物
問題はここからだ。
ある日、ふと腕を見る。
……濃い。
太い。
長い。
お前ら誰だ。
もともと俺は腕毛が薄いタイプだった。
だから余計に目立つ。
ちゃんと副作用の知識はあった。
体毛が濃くなる可能性。
わかっていた。
わかっていたけど、
実際に“モサッ”と来ると話は別だ。
腕毛 vs 髪の毛
鏡の前で真剣に考えた。
「腕毛が濃い俺」
「薄毛の俺」
どっちがマシか。
……即答だった。
腕毛でいい。
なんなら熊寄りでいい。
髪は守りたい。
こうして俺は、
体毛という副産物を受け入れた。
迷走の始まり
だが問題はそこじゃなかった。
「もっと増やせばもっと増えるのでは?」
「まだ攻め足りないのでは?」
そんな思考が顔を出し始める。
これは危険信号だ。
停滞期は、
本来“守れている証拠”かもしれないのに、
俺はそれを
“足りない”と解釈してしまった。
ここから、
少しずつ迷走が始まる。
停滞は失敗じゃない。
でも当時の俺は、
停滞を敵だと思っていた。
そして攻めに出た。
結果は、腕毛の勝利。
髪は微増。
メンタルはやや不安定。
AGA治療は、理論より感情との戦いだ。
そしてこの8か月目が、
俺の“迷走編”のスタートだった。
次回は迷走が上手くいき、調子に乗った俺の末路を書く。
文字数は多めでいく。全部読むんだぞ。



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